本殿裏には奥宮「龍穴(りゅうけつ)」がある。
創立年代は不明であるが、龍穴には、松岡の地主神「龍神」が祀られており、北極星・北斗七星を神格化した「北辰大明神」の遥拝所・祭祀場でもある。
この龍穴は、社殿を持たず神祭りを行なっていた古代の信仰を今に伝える貴重な場所である。
龍穴は、陰陽道や古代道教、気学風水において、「龍の棲む処」、「大地の気が吹き上げる場所」を意味する。さらに、古より「穴」は、「生と死」を象徴する。龍穴が山と里の境界にあることも重要な点である。
「龍穴」と呼ばれる為には風水的な条件が必要となる。
「背後に丘陵・山が坐し、前方に大河が淀みなく流れ、平野を抱き、大河の向こう岸には龍穴と面するように山脈が連なる」
というもので、当神社の龍穴はこれに合致する。
「背後の丘陵・山→高尾山・古城山 前方の大河→大野川 前方の平野→松岡の平地 山脈→九六位山」
また、四神相応(北:玄武 東:青龍 南:朱雀 西:白虎)にも合致しており、この御手洗の地は、神の座す場として、古代の人々が選んだ最上の霊地であるといえる。